女だから無理?ご褒美は?
女だから無理?ここは100年前の日本?
私の父は法律家で、「男女平等は当たり前」という考えのもとで私を育ててくれました。
そのため、私は男女の区別なく、平等であるのが当然だと思っていました。
しかし、嫁いだ先には、「女だから無理」と何かにつけて男尊女卑をいう義父。圧倒的は存在感。
同じ日本の中で、しかも新しい家族からそんな言葉を聞くなんて、まるで100年前の日本にタイムスリップしたような感覚さえ覚えました。
私はその価値観に反発を覚えつつも、同時にその環境で生き抜いてきた義母や義祖母たちの強さに驚かされました。
とはいえ、当時の私はその状況を甘んじて受け入れることはできず、「おかしい」「なんで義母も義祖母も立ち向かわないの?」「ぬるい」と感じることも多かったです。意見を言えば「生意気だ」と責められ、泣くまで叱られることもありました。
今振り返ると、ほんと、なまいき盛り、でしたね。
あと半日だけ頑張ってやる
昇進の話が出るたびに、噂を立てられたり、理不尽な状況に巻き込まれることが何度もありました。
正直なところ、心が折れそうになることもあり、
「もう辞めてしまおうかな」
と思ったこともあります。
それでも、なんとか気持ちを立て直すために私が心がけたのは、未来や過去を考えすぎず、今目の前の仕事に集中することでした。
「あと5分だけ」「あと半日だけ頑張る!」と、
一つ一つのタスクに没頭することで気持ちを保ちました。
それでも辛くて密かに泣いた日もあります。ある日、ロッカー前で泣いていた私を、先輩が見つけてこう言ってくれました。
「今日、職場を出たら真っ先にに自分のご褒美を買いに行きなさい!」
その言葉を聞いた瞬間、また泣きました。その日は何も考えれず、お寿司をご褒美にしてる先輩のマネをして、まっすぐお寿司を買いに行きました。
それ以来、仕事で辛い日や気合を入れる日には、自分へのご褒美を用意するようにしたし、お気に入りを探すのも楽しみの一つになりました。
理不尽な噂の中でも、心のどこかでは
「本当はドラマに出てくるような、器が大きくて美人で技量もある素敵な上司と一緒に働きたかった」
と思う気持ちがありました。
でも同時に、自分にはそんな器用さや強さはないと感じていたんです。
それでも、目の前の仕事を誠実にやり遂げることと、帰り道のご褒美を楽しみにすることで、なんとか前に進んできました。
なんとかなるさ
壁にぶち当たる経験を通じて、私が得たものは「思い詰めすぎないこと」でした。
自分の力でどうにもならないことは、考え込んでも解決しません。
だからこそ、「そのうちなんとかなるさ」と思えるようになりました。
もちろん、壁を避けるわけではなく、ぶつかったら自分ができることを精一杯やります。
それでもダメなら、「ごめんなさい」と素直に引くことも必要だと気づきました。
最近では、少しヘラヘラしているように見られることもありますが、これは私なりのバランスの取り方なんです。
周りからは「ミスが多い」と指摘されることもありますが、そのたびに「もう少し評価してくれてもいいのにな」と思うことも(笑)。
それでも、壁にぶつかってきたからこそ、こうやって自分なりに柔軟に立ち回る術を身につけたのだと思っています。