シンプルに生きる
当たり前は選択肢のひとつ
浅倉ユキさんは、ゆるベジ料理研究家・時間管理術研究家です。
「女性のストレス値を下げる」をモットーに、野菜料理や手帳術など、忙しい女性の暮らしをラクにするメソッドを多数考案し、話題を集めています。
今回は、普段あまり語られることのない浅倉さんの人生観や家族観に迫ります。家族の形や生き方の選択について、肩の力を抜いて、自分の軸で生きることの大切さを教えてくれました。
「日本で“当たり前”とされていることは、世界の中では一つの選択肢にすぎない」浅倉さんはそう語ります。
学生時代に訪れたインドやアフリカでは、さまざまな家庭のスタイルがあることが当たり前のように存在していました。働き方も、生き方も。世界の「当たり前」は多様性にあふれています。
その光景に触れ、日本の常識は世界の中の一つの選び方にすぎないと気づいたといいます。彼女にとって、それは生き方を決める大きな転機となりました。
「いやなこと」を基準に生きる
浅倉さんの選択の軸は常にシンプル。
「私は“やりたいこと”より、“やりたくないこと”を先に決めるんです」。例えば「お金のことで我慢するのはイヤ」だから起業を選んだ。ご自身の著書『あな吉さんの自分deカウンセリング』でも触れているように、嫌なことを避けていくと自然と自分らしい生き方が見えてくるのだといいます。夢や理想は漠然としていても、嫌なことは具体的に挙げられる。だからこそ現実的で、肩の力を抜いた選択ができるのです。
自由と責任を背負う強さ
この考え方の土台には、子ども時代の親の教育があります。「何をするにも反対されたことはなかったんです。その代わり“自分で責任を持ちなさい”と育てられました」。自由と責任を同時に学んだからこそ、「気が乗らないことはしない」と胸を張って言える。大学卒業のときも、友人たちが当然のように就職活動をするなか、浅倉さんはスーツすら買いませんでした。「だって就職したくなかったから」。迷いのない姿勢に、思わず「確かに」とうなずかされます。
形式に縛られない関係
結婚して27年目になりますが、籍は入れていません。家族と暮らし、子どもを育てながら、あえて結婚という形式を選ばなかったのです。「必要だと思わなかったから」。それでも不都合はなく、「契約だから一緒にいる」のではなく「今、一緒にいたいから一緒にいる」。経済的にも生活面でも自立しているからこそ、無理のない関係が続けられるといいます。「子どもが大学を出たら、家族は解散してもいい」と笑う浅倉さん。変わってもいいし、終わってもいい——その柔らかさこそ、彼女の強さなのかもしれません。
社会の常識に縛られず、自分の軸で選び、責任を持つ。その先にあるのは、軽やかで心地よい生き方です。浅倉さんの姿は、「もっと肩の力を抜いて生きていい」と私たちに伝えてくれます。
ライター名:あな吉
居住地:東京都
年齢:50代
大人は自分をゴキゲンに保つ責務がある、と思っています。大人が楽しく生きていれば、子どもたちの未来も輝く♪

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