夢を追うハナコさんの葛藤と挑戦のストーリー

追いかけた夢

憧れたダンサー

小学生の頃に友達と趣味で始めたジャズダンスをきっかけに中学の部活では新体操を選び色々な技術を体験した。楽しさ以上に厳しい特訓や時間もあったが、憧れだった選手への想いを胸に乗り越えられた。 高校の部活ではダンス部へ入部。 音に合わせて身体が動く楽しさや仲間との共感、共有できる時間、空気は言葉では伝えられないほどの感動や達成感を味わえた。 反面、団体になればなるほど楽しみだけではなく求められる事は多く、自分のスキルの無さに気付かされる。周りの友達が綺麗に魅せられている姿を羨ましく思うようになり始めた。気づけば、コーチからは違うと、何度となく直されるように… 少しずつ、友達への負い目も感じるようになっていた。大会用の曲で、立ち位置の発表をされた時に仲良しの友達3人はセンター付近の重要枠にいたが、自分は、前から見たら見えないくらいの後ろや端の配置になってしまった。 気にしないように振る舞っていたけれど、やはり悲しかった。 自分には素質はなく、センスもないのだと自分へ言い聞かせるようになっていた。

それでも続ければ

センスが無くても、素質がなくても自分が楽しめれば良いと続けていたけれど、大会練習となると上手く合わせられない身体の自分で自己否定をしたり、周りから何か囁かれているのではないか?と、自分の勝手な妄想で苦しくなったり、部活ヘ行く事がだんだん嫌に思う時期もあった。 楽しくて始めたダンスなのに、このままで良いのかと悩む時期もあったが、友達に支えられ皆と同じステージに立つ事が出来た。 客席からは見えない位置にいてここにいる意味があるのか?と悩んだ日々も、終わってしまえば皆と最後まで一緒に踊る事が出来た達成感で満たされた。続けていて良かったな〜と。

やっぱり好きだな〜

社会人になり、仕事の生活が安定してくると少し時間と気持ちへの余裕が出始めた頃に、上手くなくても良いし身体を動かす健康維持の為に、遊び感覚のダンス教室に通い始めた。 久しぶりで身体は上手く動かせなかったけど、何度か通ううちにやはり踊る事への楽しさを感じる事が出来た。 気分転換にもなるし、また踊りたいなぁと思う気持ちが芽生えた。

挑戦

手が届かないと思っていた場所への憧れ、現実に挑戦している友達を知り、自分も挑戦してみよう!と思うようになりオーディションを受けて見ることにした。 が、とうていそんなに簡単に受かるほどのものではないことを目の当たりにした。 せっかくなら、1年だけ。と期限を決めて頑張ってみることにし、バイトへと転職し、ダンス教室、劇団にもはいりダンス特訓を受けさせてもらえる事となった。 周りの人達とのレベルの違いに気付かされたが、1年だけ頑張ろうと決めた想いと闘い、次のオーディションまで本気で向き合ってみた。 結果、オーディションには不合格。 1年だけ本気でやろうと決めて取り組んたものの、オーディションで不完全燃焼だった自分へどうしてもここで終わりにする事が出来ないと葛藤し、後、1年だけ頑張りたいと新たな目標を持つ事となった。

諦めた先に

その後の1年も目標を持ちやってみたけれども、やはり不合格だった。 オーディション受ける前に、やはりダンスとは、センスであって生まれ持った何かなのかなと、諦め半分で立ち向かっていました。 諦める事は、悪い事、悲しい事だけではなく、新しい分野への憧れを持つ機会であり視野を広げるチャンスでもあるのだろうと、新たな目標を見つける事も出来た。 その経験は、今でも自分に切り刻まれているし、やってみて良かったと思っている。
憧れだけではなく、挑戦することが出来た自分を讃えてあげたい。


ペンネーム 本橋
東京都在住。50代。

 

 

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